手足のシビレは神経の走り方を考えると理解し易いと思います。感覚神経は手足の先端から脊髄を通って脳に行く経路を通り(求心路)、反対に運動神経は脳を起点に脊髄を通って手足の先端まで分布します(遠心路)。

 例えば、左手の小指がしびれる・こわばる・動かしにくいという症状については、この左手の小指に発した感覚神経が左手首・肘・肩などの通って、頚部で脊髄に入り反対側の右脳に達して痛みを感じるまでの感覚神経の通り道(求心路)のどこかに問題があるか、それとも右脳を発してほぼ逆の経路をたどって左小指に達するまでの運動神経の通り道(遠心路)のどこかに問題があるのだろうか、という具合に診察を進めていきます。

 両手がしびれる一般的な病気として、首が原因の病気(頚椎症や頸椎ヘルニアなど)があります。一方でシビレ・こわばりを起こす病気の中には、末梢の血液循環が悪くなる糖尿病(糖尿病性末梢神経障害)、朝方に手が強ばることが多い慢性関節リウマチや他の膠原病、ウイルス感染などの後に症状が出ることの多いギランバレー症候群なども含まれます。そういった病気は先に説明した神経の走行とは関係なく症状が出ることもあります。いずれの疾患も頻度が非常に高いとは言えませんが、だからこそ診断が難しかったりします。

 頭のCTや頸椎のレントゲンの他に、血液検査を行ったり、投薬治療をしながら経過観察をお勧めするのは、こういった様々な病気の可能性を見逃さないように注意する必要があるからです。

具体的な診療の内容

  • 診察・問診(発症の時期や症状、身体所見など)
  • 画像診断(頭部CT検査・頸椎レントゲンなど)
  • 結果報告
  • 治療(内服薬処方)
  • 血液検査やその他の検査