顔や頭を強くぶつけた・頭を強く揺さぶられた際には、脳が傷がついたり脳の表面を走る血管を損傷したりする場合があります。脳は頭蓋骨の中で髄液という水の中に浮かんでいます。髄液は頭に加えられた打撃や振動を和らげる役目がありますが、空気中に露出している皮膚などと違い、血管外に出た血液が傷の上で固まりにくいという特徴があります。
また、CT検査はレントゲン線を使った検査なので頭の中のチェックだけでなく、周囲の頭蓋骨や顔面骨などに骨折がないか評価できます。頭をぶつけて心配な方は頭部CT検査を受けて異常がないことを確認しましょう。「頭部外傷後の注意注意事項」をまとめてみました。受診時には必ず説明している内容ですが、もう一度お確かめください。
【頭部CT検査の注意点】
当クリニックでは約2分の撮影時間で頭部CT検査ができます。ただ、その間は検査台の上で患者様が静止を保てないと、画像がぶれてしまいます。小さいお子さんが検査を怖がって泣いてしまったり、認知症をお持ちで検査にご協力いただけなかったりする場合には、頭部CT検査ができないことがあります。
頭部CTは放射線を使った検査であり、未成年者(18歳未満、もしくは高校生まで)の場合は放射線被ばくについて説明し、ご本人と保護者の同意をいただきます。未成年者が受診される場合には、必ず保護者かその代理が可能な責任者がご同行ください。また、検査・診察時点で明らかな異常がない場合でも遅れて症状が出るケースがあり、未成年者の場合は保護者かその代理が可能な責任者の方に、「頭部外傷後の注意事項」に乗っ取って経過観察をお願いしています。
乳幼児は自分の症状を言葉で説明できないので検査・診断自体が非常に難しく、一旦症状が悪化した場合はその進行が速いことが知られています。原則的に、3歳未満の乳幼児の場合は救急対応可能な大きな施設へ直接ご相談いただくようお願いします。
具体的な診療の内容
- 診察・問診(発症の時期や症状、身体所見など)
- 画像診断(頭部CT検査、頸椎レントゲン検査など)
- 結果報告
- 治療(内服薬処方、創部の縫合・消毒など)
- 血液検査やその他の検査