くしゃみをしている人のイラスト(花粉症)

舌下免疫療法とは

 強いスギ花粉症・ダニアレルギーをお持ちの方に、舌下免疫療法(SLIT)をお勧めしています。従来の皮下注射による減感作療法(SCIT)と比較して大きな副作用が少ない・繰り返し注射の痛みがないことが特徴です。また、症状が安定していると判断された場合(3か月の外来通院以降)はオンライン診療を併用して、自宅にいながら治療が受けられる場合があります。完治するケースでも約3-5年かかることが多いので、患者様には十分ご理解いただいた上で治療を開始しています。

シダキュア

 シダキュアは2019年に導入された、錠剤の舌下免疫療法のお薬です。以前の液状のお薬(シダトレン)と異なり、使用方法が簡単で具体的な年齢制限はありません。ただし、以前このお薬でショックを起こしたことのある患者様や、重症の気管支喘息をお持ちの患者様は使用できませんので注意してください。

 また、非選択性β-blocker(降圧薬のテノーミンやインデラルなど)や三環系抗うつ薬やモノアミンオキセダーゼ阻害薬(MAOI)を内服中の方や、重症の心疾患・肺疾患・高血圧をお持ちの方、全身性ステロイド薬投与の方については、お薬の副作用が強く出たり十分な治療効果が望めない場合があります。事前に必ずご相談ください。完治するケースでも約3-5年かかることが多いので、患者様には十分ご理解いただいた上で治療を開始しています。

  1. 治療を始める前に、血液検査で特異的IgEをチェックします。これはアレルギーの原因が本当にスギ花粉なのか確認するためです。また、治療の開始時期はスギ花粉が飛んでいない、おおよそ5月ぐらいから翌年の1月までに限られます。
  2. 初回投与を行う予約日を決めます。シダトレン・シダキュアともに初回投与時には約30分院内に留まって副作用がないか経過観察を受けます。シダトレンは液状の薬を舌の裏に滴下し2分間保持した後に飲み込み、シダキュアは錠剤を舌の裏に1分間保持した後に飲み込みます。
  3. 初回投与後は自宅で舌下投与を繰り返します。始めの2週間はボトルからの滴下量を徐々に増やし、2週間以降は同じ量のパックを毎日滴下し続けます。症状が安定していれば、通院はおおよそ1月に1回となります。

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ミティキュア

 ダニアレルギーはアレルゲンの発生は通年性なので特に開始時期の制限はありません。また、薬がシダトレンは液体なのですが、ミティキュアは錠剤です。シダトレンと併用して治療を受けられている患者様もいらっしゃいます。

 初めの1週間は容量の少ない錠剤を使用し、2週目以降は容量の大きな錠剤を使用します。やり方は1日1回、錠剤を舌下におき1分間保持した後で飲み込みます。シダトレンと同様に初回使用時は30分間クリニック内で経過観察する必要があります。詳しく知りたい方は、アレルゲン免疫療法ナビを見てください。

お問い合わせ  03-3425-2112