続・タミフルの予防投与

 インフルエンザが大流行するにつれて、タミフルの予防の予防投与についてのお問合せが数件寄せられました。一年ほど前に書いた自分のブログを見ていただいたようで、このタイミングでの反響に驚いています。

 そこで、ホームページの予防医療の欄に「タミフルの予防投与」についてのページを設けました。自費診療になる点など、幾つか注意する点や当クリニックの診療内容など簡単にまとめました。下にリンクを貼っておくのでご参照ください。

 ただ、すでにタミフルやリレンザなどのご処方を受けた方、持病があってかかりつけで治療をされている方は、療養を担当された診療所や病院に直接ご相談されることをお勧めします。

 患者様の個別の事情を良く聞かずに一般論から薬や病気の説明をすると誤解を生む原因になるかもしれません。ご理解いただければと思います。

タミフルの予防投与

インフルエンザの出席停止期間

 1月も大分過ぎてしまいましたが、今年初めてのブログを書きます。寒い日が続きオリーブにも風邪やインフルエンザの患者様が訪れるようになりました。

 インフルエンザは感染力の強い病気なので、かかっている間はできるだけヒトとの接触を避けなければなりません。学生は学校保健衛生法という法律で発熱してから5日間以上、かつ解熱してから2日以上経過しないと学校に行ってはいけません。このような規定があるのは患者さんの健康の保護の意味もありますが、インフルエンザを一気に広げてしまうのを防ぐためでもあります。

 では社会人はどうかというと、学校保健法のような明確な規制はなく各企業などの就業規定に則った対応がされます。ただし、参考となるのはやはり学校保健衛生法なので、オリーブでは社会人の患者さまにも同じ説明をしています。

 インフルエンザにかかってしまったら、お仕事のことも気になるでしょうが、まずはゆっくり休養、ヒトに感染しないように注意しながら、自分の健康の回復に努めましょう。

インフルエンザの薬(新薬ゾフルーザについて)

 いよいよインフルエンザのシーズンになりました。現在インフルエンザの薬は複数あるので、それぞれの特徴と今年発売となったゾフルーザについて簡単にまとめてみます。

 まずノイラミニダーゼ阻害薬です。ノイラミニダーゼは感染した細胞からウイルスが遊離する際に働く酵素で、これをブロックすることでウイルスが次々に正常細胞に感染していくことを防ぎます。タミフル(オセルタミビル)は錠剤で1日2回5日間内服します。リレンザ(ザナミビル)は吸引タイプで1日2回5日間です。イナビル(ラ二ナミビル)も吸引タイプで1日1回です。吸引タイプは咳込んで上手く吸引できないことがあります。特にイナビルは1回の吸引で済む点は非常に便利ですが、失敗すると取り返しがききません。

 一方、ゾフルーザ(バロキサビル)キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性阻害薬といって細胞内でのウイルス増殖を抑制します。錠剤で内服は1日1回だけです。特に吸引が苦手な方や、薬を呑み忘れるのが心配な方には適していると思われます。

 ただ、どの薬剤も発熱後48時間以内に服用することや異常行動に関する注意については同じ。また、薬を呑む期間が違っても法律で決められた出席停止の期間も同じです。インフルエンザの検査で陽性となった場合には、速やかな治療開始とシッカリと安静を保つことが重要です。

シェーグレン症候群

 患者さまよりご相談があったので「シェーグレン症候群(SS)」についてまとめてみました。これは膠原病やリウマチなどの自己免疫疾患の一つで、症状はドライアイ・ドライマウス、どちらか一方だけ場合もあります。膠原病に続発して出現するものを2次性、他の膠原病の合併がないものを1次性と呼びます。診察をしているとSSかな?と思う患者さまは結構います。

 口腔内の症状は、口が乾燥し喉が渇く・口臭がする・虫歯になりやすいことなどが挙げられます。いずれも唾液の減少もよって生じ、味覚の変化で気がつくこともあります。正確な診断をするには、涙量や唾液量を定量的に測り、涙腺や口唇腺の病理検査を行い、自己抗体:抗SS‐A抗体と抗SS‐B抗体の血液検査をします。SSには1999年に厚生省がつくった診断基準があります。

 この病気は40-60歳代の女性に多く、頻度は男性の約14倍といわれます。原因について不明な点も多く、厄介なことに決定的な治療法・治療薬が確立されていません。結局、点眼薬やガムなどで対症療法となる場合があります。当クリニックでは涙腺や唾液腺への検査や治療は出来ませんが血液検査は可能です。そして、症状に応じて膠原病科や眼科などへもご紹介しています。

夏到来 熱中症対策を

 いよいよ7月に入りました。関東では史上初めて6月中に梅雨が明けて、本格的な熱中症のシーズンになりました。

 熱中症や脱水症は昔から知られている病気ですが、予防法や治療法が確立したのはわずか100年あまりのこと。自分自身で立てられる対策としては、炎天下の外出は控える今年も、帽子を着用すること、十分な水分補給をすること、体調不良を覚えたら涼しいところで十分休息することなどですね。塩飴をなめたりするのも有用です。

 熱中症に纏わる有名な話として、戦前アメリカのフーバーダム建設があります。その作業員は十分な水分補給をしているにも関わらず熱中症で倒れるものが続出しました。そこで、水と一緒に塩を補給したところこれを減らすことに成功したそうです。

 重症になると積極的に輸液を行うケースがあります。血液の浸透圧への注目から5%ブドウ糖液や、イギリスのリンゲル先生が作ったリンゲル液に乳酸を加えた乳酸加リンゲル液(商品名:ラクテック、ハルトマンなど)酢酸加リンゲル液(商品名:ヴィーンFなど)、重炭酸イオン加リンゲル(商品名:ビガーボンなど)が開発されています。それぞれアシドーシスの予防などに特徴があります。

 熱中症の予防や治療の第一歩は経口補水です。ただ中々上手に水分摂取が出来ない場合もあります。自費となりますが、点滴が必要な方には当クリニックでも対応をしています。心配な方はご相談ください。ただ点滴は量によって30-60分かかる場合があります。時間に余裕をもってどうぞ。

大人のはしかについて

 沖縄県が6月11日に麻疹(はしか)の終息宣言を出しました。報道によると、3月下旬に4年ぶりに感染が確認されてから、沖縄県内の患者数は99人。はしかの流行による国内外の旅行客のキャンセルは746件、5572人。大型連休と重なってしまい直接的な経済損失は、実に4億2千万円。終息宣言は5月16日以降、新たな患者が出ていないことを受けてでした。

 今回のはしかは台湾からの観光客が感染源で、観光客が多くの県民と接触したために一気に広がったようです。はしかは特に感染力が高いウイルスの一つで、子供の頃に予防接種を2回受けられた方が多いと思いますが、1回だと効果が不十分だったり、年を経ると免疫効果が落ちてくることが知られています。

 以前ワクチンを受けた方でも、海外旅行に行くご予定があったり、予防接種を受けてから長い時間が経過したり、ご家族に小さいお子さんや体の弱ったお年寄りがいらっしゃるような場合は、ワクチン接種を検討した方が良いかもしれません。

 まずは、特定のウイルスへの免疫力が落ちていてワクチン接種が必要かどうか、血液のウイルス抗体価検査を受けて判断しましょう。ご希望の方は当クリニックでも検査しています。

「ウイルス抗体価」のページ

6月、舌下免疫療法の始めどき

 

 

 長かった花粉のシーズンが終わりました。面白いことに、シーズン前スギ花粉予測は「日本気象協会」と「ウェザーニュース」で全く正反対でした。日本気象協会は例年より多いと予想し、ウェザーニュースは逆に例年より少ないとの予想でした。

 春の花粉の飛散量は、夏の間の日照時間に影響されるといわれています。昨年の夏は気温が一定しておらず、前半はカンカン照り、後半にいくつも台風が来るなど予想が難しかったようです。

 東京にいると花粉の飛散量は多く感じたので、個人的には日本気象協会に軍配を上げたくなりますが、全国的にはどうだったのでしょうか?

 毎年、スギ花粉症で悩まれる患者さまは、来年に向けて早めの舌下免疫療法導入をお勧めします。

顔面けいれんと眼瞼けいれん

 ときに「顔がピクピクして心配です」と受診される患者様がいます。顔のけいれんは病気によって特徴があり、顔面の半分だけが収縮する「顔面けいれん」、時に両側に生じる「眼瞼けいれん」、心理的な要因ででる「チック」などがあります。

 顔面けいれんは脳内で動脈と顔面神経が接触し拍動が伝わるために起きるもので、場合によっては接触部分を外す手術をします。眼瞼けいれんは脳内で神経伝達物質の「アセチルコリン」に異常が生じることが原因ではないかといわれています。眼科でドライアイの症状と間違われるケースもあるようです。

 自然に治まることもありますが、症状が軽くない場合には初めに内服治療を試みます。内服治療でコントロールが困難なときには、ボトックス療法か、当該の専門の先生に紹介するかご相談します。

 いずれも適切な診断と、それぞれの病気にあった適切な治療を心掛けたいと思っています。お心当たりの方はご相談ください。

インフルエンザが流行

 新年あけましておめでとうございます。寒い日が続いてますね。今日はクリニックを開く準備をしているのですが、いやはや何をするにも寒くて大変です。

 上のデータは昨年12月21日発表の東京都福祉保健局のものですが、インフルエンザが流行してきました。風邪症状で受診いただく患者様の中にも、感染した方が見つかるようになってきました。

 時に受診の際に、「熱は出ていないけれども頭や体の節々が痛むので、経験上インフルエンザだと思う。調べて欲しい」といわれます。ところがインフルエンザの検査は鼻腔内でインフルエンザが増えたものの一部を取ってきて調べます。だから、インフルエンザ感染があってもまだウイルスが増殖していないような、熱の出ないごく早期の患者様では検査をしてもほとんど陽性反応がでません。

 一般的な迅速診断キットでインフルエンザにほぼ確実に陽性反応が出るのは、熱が出初めてから12時間以降といわれています(ドライケムでも3時間ぐらい)。インフルエンザは38度を超える高い熱が特徴で、おおよそ2-3日症状が持続し、その後は体内のインフルエンザの数は急激に減っていきます。

 インフルエンザ用の抗ウイルス薬は発症後48時間まで効果があるといわれています。その後は自然に治る例が多いので対症療法で解熱薬などを出すことはありますが、抗ウイルス薬の治療適応はありません。インフルエンザの時間的な推移をご理解いただき、患者様とともに有効な診断や治療を行いたいと思います。

2018年スギ花粉は多い見込み

 日本気象協会が10月に来年度のスギ花粉の飛散状況の予測を発表しています。関東甲信越地方では、来年は本年度の1.5倍・例年よりやや多いとの予想でした。

 花粉の飛散状況は前年度の夏の日照時間や気温に大きく左右されます。今年の夏はもはや記憶の彼方ですが、全国的に気温が高く雨は少なくて日照時間が多かったそうです。

 今年の夏の気候は来年の春に、たくさんのスギ花粉を飛散させるかもしれません。思い返せば、秋にはいくつも台風が来て大雨を降らせましたが、7-8月は渇水が問題になるくらい雨は少なかった気がします。

 本格的にスギ花粉が飛び始めると、舌下免疫療法の導入出来なくなります。年末年始はお忙しいとは思いますが、もしご希望される方はお早めにご相談ください。