好きな本:サム・ホーソンの事件簿

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 昔から推理小説は好きです。特にブラウン神父もののように、短くて無駄がなく下げが効いてる話は良いですね。

 これは田舎の開業医サム・ホーソン先生がお神酒を飲みながら昔経験した「不可能犯罪」について語る体裁の、推理短編小説です。いろいろな患者さんとの交流も丹念に描かれていて、同じ開業医としてはしっかりと地域に根差しているサム先生がうらやましくもあります。

 「不可能犯罪」というとすぐにディクスン・カーなどを思い出しますが、そういった猟奇的な傾向は乏しく、どちらかというとのんびりした風情が楽しめます。しかし、トリックはハッとさせられる奇抜なものもあり、読者は油断できません。

 ところでサム先生は毎回お酒を飲んでいます。訳文では「お神酒」となっているもの、原文ではスピリット(spirit)とか何とかなんでしょうかね?些細な部分ですが、妙に気になってしまいます。それに、毎回お酒ばかり飲んでいるサム・ホーソン先生の肝臓もちょっと気になります。

後藤又兵衛と黒田長政

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 この前、黒田屏風の話を書かせて頂いたので、もう一つ「槍の又兵衛」こと後藤又兵衛について。「真田丸」では、哀川翔さんが演じています。

 後藤又兵衛はそもそも黒田官兵衛の家来ですが、黒田長政とは兄弟のように育ったという話があります。しかし、長政が家督を継いでからはそりが合わなくなったようで、いろいろ対立したエピソードが残っています。又兵衛は黒田家を出奔する前後は、長政と大変仲の悪かった細川忠興(あの石田三成に干し柿をもらった大名ですね)と仲良くしたりします。

 反対に長政の怒りも凄まじく、又兵衛の仕官を「奉公構」という制度を利用して邪魔したり、何度も刺客を送りこんだりしています。牢人時代は大変苦しい生活を送っていたようです。

 又兵衛は秀頼に恩義を感じており、大阪城に入り戦い抜いて討ち死にします。黒田長政は屏風絵を描かせたときに、自分の家来筋ではあるけれども敵方の武将として戦い抜いた又兵衛について、思いをはせることはあったのでしょうか?

大坂の陣・戦国のゲルニカ

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 「真田丸」も佳境の大坂の陣の話になりました。数年前に同じNHKの番組の「その時歴史は動いた」で、大坂夏の陣を描いた黒田長政の大阪夏の陣図屏風が「戦国のゲルニカ」という題で取り上げられていました。数年前に大阪城に正確な模写があると知ったので、見に行ったことがあります。

 この絵は六曲一双からなる屏風で、右から左へ時間的な推移を描きながら、武将たちの合戦の様子に始まり、その後に起きた雑兵たちによる濫防狼藉の様子が描かれています。「戦国のゲルニカ」という番組の題名は「なんだろう?」と人を惹きつけますが、無差別爆撃対する抗議として描かれたゲルニカと武功顕彰のために描かれた黒田屏風は、そもそも意図が違うとの意見もあるようです。

 戦に負けて大名家が断絶することは(その時に戦力の空白が生じて悲惨な状態になることは)しばしばありました。駿河の今川家、甲斐の武田家、小田原の北条家しかりです。ただし一時期天下を取ったほどの大々名家が籠城の末に数万の敵兵に囲まれ、逃げ場もなく降参することもかなわず、城下の民衆を抱えたまま瓦解する事態は未曽有の出来事でした。戦国時代の最も終わりに起こった・最も悲惨な戦いといえるでしょう。

 黒田長政が(豊臣恩顧の、黒田如水の息子の)直接制作を指示したこの屏風絵は、戦の悲惨さや豊臣家の愚かさを記録するためのものだったと思います。もし武将たちの勇壮な姿を記念に残すのあれば、わざわざ残すに値しない雑兵たちのふるまいを、屏風の半分も使って描く必要はなかったのではないでしょうか?

 黒田長政が描かせたのは「ゲルニカ」の動機とは違いますが、歴史を記録することへの執念のように思います。

スノーボードによる頭部外傷

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 10/25に気象庁から向う3か月の気象予報が発表されました。それによると「11月から1月の平均気温は、西日本と沖縄・奄美では大陸からの寒気の影響を受けやすくて、平年並か低い。降水量は西日本(日本海側)で平年並か多い見込み。北日本では低気圧や前線の影響を受けやすく、平年並み」とのことです。 特に北日本(日本海側)の降雪量は平年並み40%、積雪量が多い確率が30%とのことです。ただ降り方によっては去年あまり雪のなかった地方のスキー場も、今年の冬は活気を取り戻すかもしれません。

 ウインタースポーツで気を付けて欲しいのが、転倒したときに頭を打つことです。特にスノーボードは滑走時に両足を板に固定した姿勢を取ります。さらに後方に転倒した場合は、手で防御姿勢を取れずに上手に腰を下ろさないとダイレクトに後頭部を打つ可能性があります。私が医者に成りたてだった1990年代はスノボーブームの始まりで、一般の方は始めたばかりの方がまだ多かったように思います。スノーボードによる頭部外傷は学会でもトピックの一つでした。

 勤めていた病院でも、月曜日には前の週にスノーボードで頭を打った患者さんを何人も診察することがありました。今はそれほど外来で見かけない印象ですが、上手な方でもしっかりとヘルメットを装着してスノーボードを楽しみましょう。

 スノーボードだけでなくスポーツの頭部外傷の多くは予防できるケガだと思いますが、運悪く強く頭をぶつけてしまった方はご相談ください。痛み止めの処方などでも、お役に立てるかもしれません。

骨粗しょう症について

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 フロント・ページのニュースにも書かせていただきましたが、当クリニックでレントゲンを用いた骨粗しょう症の検査が出来るようになりました。

 厚生労働省のホームページによれば日本人の食事摂取基準のカルシウム推奨量は、50歳以上の男性800㎎・女性650㎎です。しかし実際の成人の男性・女性ともに500-600㎎ぐらい。耐用上限量(ここまで摂っても大丈夫と考えられる量)は男女ともに2500㎎とされていますので、単純に言って今の倍以上カルシウムを摂っても大丈夫ということです。

 骨粗しょう症の患者様の場合はさらに増えて、1000㎎以上の摂取が望ましいとされます。しかし、これを全部食事で補うのはなかなか大変です。「飽食の時代」といわれて久しく、他の栄養素は豊富に摂りすぎることが問題になるようですが、カルシウムだけは未だに不足が続いているます。

 日本人のカルシウム摂取量はアメリカ人の1/3ほどです。これは日本は軟水でミネラル分が少なく、それで育つ野菜などにもカルシウム巌流量が少ないことや、和食には乳製品を素材としたものが少ないことなどが理由といわれます。加えて高脂血症や糖尿渺などの生活習慣病による食事制限、ダイエットなどで食事量を減らすと、ますます摂取できるカルシウムは少なくなります。

 骨粗しょう症の原因はカルシウム不足だけではありません。ホルモンも大きく影響します。男性の骨密度は60代ぐらいから徐々に減っていきますが、女性は閉経前40代後半から急激に減り始めます。これは女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が落ちるためです。骨密度を維持するためには、適度な運動なども大事です。

 骨粗しょう症も生活習慣病や認知症などと同様に、予防のためには適切な食事療法・運動療法などが重要です。こういった細かな対応が可能なのが、クリニックの持ち味だと思います。一度ご相談ください。

11月のテーマ

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クリニック内に季節感を取り入れようと思い、小さなコーナーの飾りつけを始めました。

先月はハロウィンでしたが、今月のテーマは「深まる秋」

(仕上げはスタッフのSさんです)