寒くなると、流行る風邪

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 すこし肌寒く感じるようになってきました。これから冬に向かって、外来は風邪の患者様が増えていきます。

 風邪とは咽頭炎・鼻炎・上気道炎などを起こすウイルスや細菌などの病気の総称です。原因となる微生物は200種類ほどありますが、約9割がウイルスといわれています。

 一般に風邪の原因となるウイルスを直接やっつける薬はないものですから、消炎鎮痛剤や鼻炎・咳などの症状を緩和する治療が主になります。ただ免疫力が落ちると2次的に細菌感染が起きるので、症状の著しい方には早めに抗生剤を投与する場合もあります。乾咳が続くのが特徴のマイコプラズマにも抗生剤は効果があります。

 あと風邪が少しひどくなったものが肺炎、と思っている方がいます。もともと咽頭や鼻腔そして周囲のリンパ節には、微生物を撃退しそのまま体内深くに侵入させないための防御壁としての役割があります。なので、ここが大変な激戦となっても体の安定は保たれています。

 しかし、一旦肺炎になると体深くに微生物の侵入を許してしまっており、入院が必要となることもあります。脳炎や髄膜炎なども一見風邪に似た症状を呈しますが、診断に注意を要する病気です。単なる風邪かどうかの見極めは、実はなかなか難しいことがあります。

天下分け目の戦いが…

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 また「真田丸」の件で、書かせていただきます。

 この前、ウェルメイド・コメディの三谷幸喜が、日本史上最大の合戦だった「関ヶ原の合戦」をどういう風に描くのか、楽しみだとブログに書きました。だって明らかに得意分野ではなさそうですし、大河ドラマとしては避けて通れない大きなイベントだと思っていたので。堂々と1~2話分使って描くのかなと。

 でも、まさか会話の上だけの登場で、たった50秒。あまりの思い切りの良さに、やられたーと思いました。

 大坂の陣へ向かって話が収斂していくために、同じ大きな合戦であり主人公が参戦しなかった「関ヶ原」は、構成上切られてしまったのかな。それにしてもさすが、思い切りがいい!

はしかの免疫とワクチン

 以前ブログで触れた関西国際空港でのはしかの感染者が、治療に当たった医師も含めて35人と増えてしまったようです(9/5発表)。はしか(麻疹)の予防接種をしたかどうかわからないので,、新たに予防接種を受けた方がいいでしょうか?とのご質問を頂きました。いい機会なので、今回ブログにまとめてみました。

 予防接種を2回以上受けている方と、はしかに感染したことがある方は、基本的に免疫が持続していると考えられます。ただ、それがよく分からない場合には血液検査で抗体価を調べます。調べる方法はPA法(ゼラチン粒子凝集法)、EIA法(酸素免疫測定法)があります。ガイドラインがあって、患者様用と医療従事者それぞれに望ましいとされる抗体価が示されています(免疫力の落ちている方に接する可能性がある医療従事者の方が、当然厳しい基準となります)。

 患者様はPA法:128~256以上、EIA法:8以上、医療従事者はPA法:256以上、EIA法:16以上が十分な抗体価の基準となります。これを満たさない場合は、ワクチン接種をお勧めします。

 昔は終生免疫とされてきた麻疹に対する免疫力も、時間を経るにしたがって減弱する例があることがハッキリしてきました。はしかは感染力が強く、空気感染する病気です。流行する前に十分な措置をとることが大事だと思うので、抗体価のチェックを受けたい方はご相談ください。当クリニックでは、麻疹ワクチンは予約制となっています。「ワクチン・予防接種」のページをご参照ください。

参考:①造血細胞移植ガイドラインー予防接種 ②日本環境感染学会. 院内感染対策としてのワクチンガイドライン

緊急告知:現在、麻疹ワクチンが品薄となり、入手が大変困難になっております。状況が改善しましたら、改めてホームページで告知します。

 

段ボール機織り器

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 名古屋に行ったときにトヨタ博物館に行きました。その時に見た機織りの機械が面白かったので、夏休みの自由研究として子供と一緒に段ボールで再現してみました。

 機織りの縦糸を開くのは竹の定規、これで交互に縦糸を分けてシャトル(横糸)の通る道をつくります。筬(おさ)は木製のクシを使用。縦糸はタコ糸みたいなしっかりした糸で、横糸は編み物用の毛糸。段ボール以外は、全部100キンで調達しました。

 自分達ではなかなか上手くできたと思うのですが、どうでしょうか(^-^)?

脂肪肝とNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)

 食生活の欧米化で食事の総カロリーが増えました。特に脂質の占める割合が大きくなり、脂肪肝の患者様が増えています。人間ドックを受ける患者様の10-20%に認められるとの報告があります。ウイルス性肝炎やお酒をあまり飲まない人に生じる肝疾患を総称して、NAFLD(非アルコール性肝疾患)と呼びます。

 NAFLDのうち90%は肝臓に機能障害を起こさない単純性脂肪肝です。残り10%にアルコールをたくさん飲む人と同じように肝炎・肝硬変・肝臓がんを起こす例があります。この病気をNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)と呼びます。NASHの割合はすべての成人の約1%に上るといわれています。

 単純性脂肪肝かNASHか、それを診断するには肝生検をしないと分かりません。今のところ他に簡単な検査方法がなく、NASHだとハッキリするのは病状がかなり進行してからです。目立った症状がないのも、肝臓の病気の特徴だといえるでしょう。

 脂肪肝が見つかったら、ただの脂肪肝だと甘く見ないで、食生活や運動療法を早めに開始した方がいいと思います。高血圧・高脂血症・糖尿病などをお持ちの患者様はその治療を行いつつ、肝臓への負担を軽減していく必要があります。日本人の食生活の変化や平均寿命が延びた分、注意すべき病気も変化しています。

はしかの従業員、関西国際航空で

 8月30日、関西空港は複数の従業員が麻疹(はしか)に感染したことを発表しました。女性従業員2名が8月中旬に発熱をきたして発症、その後37人に感染が確認されました。

 はしかは非常に感染力が強いのが特徴です。先日も千葉で兵庫県ではしかの男性が、コンサートに参加した事例がありました(気になる方は、以前のブログを参照ください)。

 感染し発症してしまった方に特効薬はありませんが、今後の予防として当クリニックでワクチン接種ができます。ご相談ください。