ダニ媒介性脳炎

 8/16に北海道で山歩きをしていた男性がマダニにかまれてダニ媒介脳炎を発症し、その後亡くなられたと報道されました。国内2例目の報告例で日本では大変珍しい病気といえますが、ヨーロッパからロシアにかけては年間5000-7000人の報告があるそうです。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

 ロシアではロシア春夏脳炎といって7-14日の潜伏期間を経て、高熱や頭痛吐き気などを呈します。原因となるロシア春夏脳炎ウイルスは北海道にも分布しており、今回のケースもこれが原因と思われます。マダニは他の病原体の媒介もします。もっと有名な病気としては、本州でもみられるライム病があります。ライム病ではマダニはボレリアというスピロヘータの一種を媒介して、特徴的な皮膚の紅斑や、神経症状(髄膜炎・脊髄神経根炎・末梢性顔面神経麻痺)などの症状がみられます。

 マダニはもともと2-3mmぐらいのサイズですが、血を吸って1cmを超えるぐらいまで大きくなり(容積でいうと1000倍!)おまけにセメントのような唾液を出して体を宿主の皮膚に固定してしまうようです。驚いて押しつぶしたり、無理に取ったりすると、マダニ体内の病原体を宿主に押し込むことになるので注意しましょう。家ダニとはまるで違う生物だと思った方がいいかもしれません。

 除去は専用の器具(ティック・リムーバーなど)か、ピンセットで口をつまんでマダニの一部が残らないように慎重に除去するようにします。その際に線香の火であぶったり、アルコールを使ったりする方法もあるようです。山歩きの際にわれわれが出来ることとしては、マダニに皮膚をかまれないように厚手の長袖・長ズボンの服装をするなどの予防策を講じることが挙げられます。

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