夏ばてに漢方

 まだ梅雨が明けていませんが、ジメジメとした蒸し暑い夏が始まっているのを感じます。日本の夏は高温多湿で実に過ごしにくく、この時期に体調を崩される方が多くいらっしゃいます。この時期夏ばてになると辛いですね。

 食欲が落ちて、元気が出なくなり、暑い外とクーラーの効いた室内の行き来で腰が痛くなったり、夜眠れなくなるなどの症状が出ます。夏が過ぎれば改善するものだし、習慣性を持つような強い薬は使いたくない。そういった方にこの時期だけ漢方薬を内服されてはどうでしょうか?以下に代表的な夏ばてに効く漢方を3つほど上げてみます。

① 補中益気湯:夏バテに処方する代表的な漢方薬です。夏やせ、食欲不振など、特にやせた若い男性に効果が高いとのことです。

② 清気益気湯:暑気あたり、食欲不振、下痢、全身倦怠感などに。

③ 五積散:クーラーによる冷え性、関節痛に。

 他に暑気あたりなどから脱水をきたした方には点滴も有効です。ただ食欲不振にはうつ病や、倦怠感には糖尿病、冷え性には甲状腺機能低下症などの病気が隠れていることがあります。診断には注意が必要です。暑い夏を乗り切るために、漢方薬の内服ご検討されてはいかがですか?

低気圧と頭痛について

 梅雨のさなかですが、今日はいい天気ですね。

 梅雨時低気圧が近づくと頭痛がするという方がいらっしゃいます。気象病などといわれますが、もっとダイレクトに低気圧頭痛と呼ぶひともいます。気圧の変化に関係あるらしいのですが、気圧が低くなって血管を外から押さえていた力が弱くなり、血管が拡張すると頭痛が出る。いわゆる高山病のような病態でしょうか?

 気圧は平地で1013hPaぐらい。10m上がると1hPa下がるので、2000m級の山に登ると800hPaぐらいまで下がります。ただ高地順応という現象があるように、ゆっくり体を慣らしていくと高山病は出にくい。台風の中心気圧は有名な伊勢湾台風でも930hPa。梅雨時の低気圧はもっと小さいので気圧の低さが頭痛に直結しているとは言い難いと思います。

 気圧の絶対値が影響するというより、短時間で急激に気圧が変化することが良くないのではないか?気圧の低下がわずかでも、その変化のスピードが速いとカラダのバランスが崩れてしまう。それなら前線が通過するときに頭痛が起こり易くなるはずです。雨が降り出すとむしろ軽快するという患者様の症状の説明にもなります。

 問題はこの低気圧頭痛が片頭痛なのか、緊張型頭痛なのか。

 一般的には前者が多いとされているようですが、明らかに緊張型頭痛が悪化される方もいます。こういった点は患者様一人一人の症状を診て、オーダーメードの治療しなければいけないと思います。

糖尿病の薬:DPP-4阻害薬

   インスリンは血糖を下げるための唯一のホルモンです。反対に血糖を上げるものは、グルカゴンやアドレナリン、コルチゾールや成長ホルモンなど多数あります。例えば食物の乏しい環境で生存していかなければならないが、もし敵が襲ってきたらすぐに血糖値を上げて体を動けるようにする。そういった危機へ適応してきた結果だと思われます。

   20世紀半ばに入って「緑の革命」とよばれる農業生産性の向上が起こったり、著しいテクノロジーの進歩があったり、現代は豊富なカロリーを持った炭水化物(小麦や米)や糖質・脂質が比較的容易に摂取できるという、人類史上大変特異な時代になりました。

 最近開発されたDPP-4阻害薬は、その性質上経口血糖降下薬の中で重大な副作用である低血糖を起こしにくいとされています。DPP-4がターゲットにするのは、ものを食べたときに腸管から分泌されるインクレチン(GLP-1、GIPなど)です。インクレチンは膵臓に作用して、インスリン分泌を亢進します。

 大雑把な言い方をすると、食後高血糖の人はインクレチンの量が多いほど速やかに血糖値を下げられる。だから、インクレチンを分解してしまうDPP-4を抑えてしまおうというお薬です。インクレチンは血糖値が低い状態では分泌量が少ないので、DPP-4阻害薬は低血糖発作が生じにくいといわれています。でも、起こさないわけではありません。

 似た薬で、インクレチンのGLP-1受容体だけを刺激する薬も開発されています。これはGIPには血糖を下げるけれど脂肪を増やす働きもあるために、肥満を伴う糖尿病には不都合だからです。いろいろな薬の特性を理解しながら治療に当たりたいと思います。

今年の梅雨は

 本日も晴天です。そろそろ梅雨入りですね。ジメジメとした雨が続くと、体調を崩される方や頭痛の方が増えます。そこで気象庁発表の梅雨のデータを調べてみました。

 沖縄はすでに5月16日に梅雨入りしています。これは例年より1週間ほど遅く昨年より4日早い。他の気象予報関係のサイトを見ると、おおよそ東京は例年通りで梅雨入りは6月第2週ぐらい(平年梅雨入りは6月8日)との予測です。そして梅雨明けが例年通りだとすると7月21日前後になります。

 7月上旬には浅草の浅草寺のほおずき市があるので、毎年子供たちと出かけます。昔近くに住んでいたので土地勘があるので、適当に歩いて回ります。子供たちは浴衣を着せてやって夜店のリンゴ飴を当てがっておくと普段よりもかなり協力的です。

 ほおずき市の縁日は別名四万五千日といってどういう訳か、1日参拝するだけで四万五千日分の功徳を積むことができるルールになってます。功徳ポイントをためている方には大変お得な日ですので、ぜひ参拝しましょう。ほおずき市は夏の到来を感じさせます。

 ところで、連日湿度の低い気持ちいい天気が続いていますが、本日は6月としては12年ぶりに乾燥注意報が出されました。もしこのまま梅雨時期に雨が降らないと、夏の水が必要な時期に水不足で苦しめられるかもしれません。雨は降りすぎても困るし降らなくても困る。当たり前のことですが、水との付き合いは難しいですね。